天然砥石 正本山 月乃輪 水浅黄 黄板変成 最極硬口 185×43×32㎜ 472g 小売業者

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商品情報

月乃輪の水浅黄 黄板変成になります。

とてつもなく硬い砥石でございます。
一般的な浅黄よりもさらに硬く、写真のように砥汁は余りでずに鋼を微細に下ろし、鏡面度をより高めることができる珍しい砥石になります。
研ぎ上げたあとは人肌に刃を付けるだけで、力入れずとも食い込んでいくような、驚異的な切味に仕上がります。
粒子が非常に細かいため研ぎに粘りがあり、硬口ながらも研ぎやすい物となっております。

月乃輪といえば京都愛宕山の高雄側尾根の中腹、おおよそ標高600mに坑道があり、京都天然砥石の坑道としては最高峰であります。
愛宕の砥石といえば、歩留まりよく柔らかい石がよく流通していたわけですが、その砥石というのは愛宕山三角点付近の露天採掘現場のものであり、厳密にはダルマ、滝谷という名の砥石でございます。
一般的に砥石山とは標高が高く風がよく当たり、地表に近い物ほど風化の影響を受けやすく、標高が低くなるにつれて石の質は硬くなっていくとされています。
愛宕山は山自体が砥石でてきていますので、中腹は極硬口の砥石がおおく、登山口付近の標高になると硯の原石が産出しています。

さて、月乃輪の砥石についてですが、残された資料には1946年から1958年までに月輪寺宿坊泊まり込みの上で採掘とされており、当時採掘していた業者の方に話を伺ったところ、標高が高く電気設備もない過酷な環境で泊まり込みながらの採掘をしていたそうです。
産出している砥石は極硬口が多く、剃刀研磨用として販売されていたわけですが、当時替刃式の剃刀が販売され始めたことにより需要が減少し、過酷な採掘環境も重なり閉山となりました。

私事ですが、天然砥石が好きな事や登山が好きな事が重なり、よく愛宕山を練り歩いています。
その中でも愛宕山中腹にある月輪寺のご住職と交流があるわけですが、実はこの月輪寺は度重なる土砂崩れで半壊しており、檀家もない中で廃寺に追い込まれています。
ご住職は70代の女性の方で一人で月輪寺で生活されていて、お寺に電気が開通したのも20年前、建物の保安上により薪を炊くこともできず、真冬でも水風呂という過酷な環境で過ごしていらっしゃいます。

私は多少砥石の知識があるので、もし月乃輪の砥石が採掘できれば、寄付をする事によってお寺の状況が少し良い方向にいくのではという話をさせていただきました。
それから、月輪寺周辺の道なき急斜面を探索し続けることで坑道の入口を見つけることができ、近くに国有林があるので営林署の方に境界線を聞きながら、土地の所有者をなんとか見つけることができました。
事情を説明したところ、寄付ということでしたら採石をしても構わないと仰っていただき、当時採掘していた業者の方のご協力もいただいた事によって、限定的ではありますが月乃輪砥石を復活させることができました。

ご住職は足を悪くされており、杖をつきながら歩くのがやっとな状況にあります。手術をしないといけないわけですが、他にお寺を守る人もいないので京都市内まで下山することも出来ない山門を建てる事ができれば、お寺を一時的に閉めることができるわけですが、その資金も不足しています。

私は月乃輪の砥石を販売した利益を全額寄付する所存であります。
落札していただければ幸いでございます。
宜しくお願い申し上げます。

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